ケンドリック・ラマー、「ストリートで生きていくという事」

ケンドリック・ラマー、「ストリートで生きていくという事」


近年もっとも期待されているラッパー、ケンドリック・ラマー。“ラップ界のディラン”などと呼ばれたりしているが、多くのラッパーたちと同じくカリフォルニア州コンプトンのストリートで育ち、ストリートで見たものや体感したこと、そして仲間たちのことを、ウィットに富んだリアルなラップで表現してみせる。ロサンゼルスでもっとも危険と言われる街を詩にしながら歩いてきたのだ。

そんな彼の足元には、いつも<Reebok(リーボック) CLASSIC>があった。ストリートを歩き、詩を紡ぎ、今やラップ界だけでなくテイラー・スウィフトなどポップス界の大物からも客演を要請されるなど、時代の寵児となった。Reebok(リーボック)は、そんなケンドリック・ラマーをアンバサダーに指名し、彼のシグネチャーモデルもリリースした。

「学校では、みんなReebok(リーボック) CLASSICを履いていた」

「履いてる奴はクールだった」

そう振り返るケンドリック・ラマー。“オリジナルなものを作りたい”と確信し、学校に入って“自分の言葉を書こう”と決めたという彼にとって、足元のスニーカーは自分自身であることの象徴だった。そしてヒップホップの世界に足を踏み入れた彼にとって、Reebok(リーボック) CLASSICを履くことは、ヒップホップ文化の一員になったことを宣言するものだった。

Reebok(リーボック)の人気モデルVENTILATORとケンドリックとのコラボシューズについて、地元コンプトンの仲間たちは「奴のシューズには融和(ユニティ)とピース(平和)のメッセージが込められてる」と語る。「奴のリリックに登場するのはコンプトンの連中だ。俺たちのことさ」と話すのは、G Weed(Piru)とJigga(Crips)だ。

「リアルに弱肉強食の世界だ。5歳の頃には近所で銃声を聞いた。子どもの頃は興味津々で、頭がスポンジみたいになんでも吸収するからさ、hood(ストリート)のブラザー(同胞)たちにいろいろ聞いて、そうやって生きてく方法を自分の力で学んだものさ」

「ストリートで生きてる連中を見て育ったんだ。その中のカッコいい奴らは好きに生きて、女たちもみんな手にしてた。だから“俺もそういう奴らみたいになろう”って思うのは自然なことだったよ」

そんなストリートの現状を身をもって知り、今や世界へと発信する力を持ったケンドリックだからこそ、伝えられるメッセージがあると2人は言う。

「音楽はとても強力で影響力のあるものだ。そしてケンドリックの音楽にはユニティ、融和を促す力がある。その影響ってのは、まず子どもたちに伝わっていく。全ては子どもたちから始まるんだ。例えば、ケンドリックみたいな奴の姿にキッズたちが憧れて、奴に影響を受けてクールになろうとする。みんなそれぞれクールに生きようとする。それはキッズたちがどこ出身で、どの地域で暮らしていようと、みんな同じだろう」

同じストリートの仲間でなくとも、地域や境遇は別々でも、根っこの想いは同じということだろう。実際、G WeedとJiggaは、それぞれ赤と青をシンボルカラーに持つ対立ギャング同士だ。

「奴の新しい赤と青のシューズにはそういうメッセージが込められてるよ。“俺たちは互いにリスペクトして愛し合い、一緒に生きていくんだ”っていう、融和と平和のメッセージが」

「ケンドリックは、なぜそういう意識が大切なのか、なぜ俺たちはこれ(ヒップホップ)をやってるのか、その理由と理解を強く訴えかけてくる」

「そのメッセージはとても強い。俺たちは皆一緒に歩んでいくんだ、ってな」

ストリートで生きていくことは、鮮烈で過酷だ。そしてストリートで生まれたリアルで躍動感に満ちたヒップホップは、音楽というだけでなく一つの文化になった。今やその文化の最高の担い手となったケンドリック・ラマーには使命があり、彼が履くシグネチャーモデルには、ストリートのスピリットが宿っている。