ISSUGI対T-Pablow「東京のHIPHOPナメんなよ?」【KING OF KINGS 2016 BEST BOUT】

ISSUGI対T-Pablow「東京のHIPHOPナメんなよ?」【KING OF KINGS 2016 BEST BOUT】


過去10年以上に渡って全国規模のフリースタイル・バトルを運営することで、地道にHIPHOPシーンの底上げを続けてきたラッパーの漢a.k.a GAMI。彼の努力がなければ、おそらく今日のラップ・ブームは存在していなかっただろう。

そんな漢が主催する日本最大規模を誇るフリースタイル・バトル「KING OF KINGS」。その名の通り、日本各地で行われたバトルの王者を集めた大会で、優勝者は「バトルMC日本一」の称号を得ることになる。その「KING OF KINGS 2016 GRAND CHAMPIONSHIP FINAL」が、2017年1月8日(日)に開催。

そこで今回は大会の予選から、ヒップホップファンの間で話題となった好バトルをピックアップする。

■KING OF KINGS 2016 BEST BOUT「ISSUGI vs T-Pablow」
紹介したいのが、8月10日(水)に渋谷HARLEMで行われた東日本予選より「ISSUGI vs T-Pablow」。長年に渡って東京のアンダーグラウンド・シーンで輝きを放つ「DOWN NORTH CAMP」のISSUGI。そして華やかな表舞台からラップ・ブームを牽引する川崎の若手コレクティブ「BAD HOP」のT-Pablow。それぞれクルーの顔として、日本のHIPHOPシーンを盛り上げる存在だ。

先攻のISSUGIは「音楽性がない/一言で言うとセンスがない」とT-Pablowをディス。さらに「俺はTV、ブーム、何もなくてもやってる/同じクラブで10年ライブやっている」と、長年に渡って地道に音楽活動を続けてきた実績をアピールした。

T-Pablowは、ISSUGIの「幼稚園の教科書」「放課後のままごと」というワードをロックオン。「お前のほうがままごと/今から帰れママの元」と返し、さらに「お前下手なところ/見せる寺田心」とトンチの利いたアンサーをするも会場は盛り上がらず。ISSUGIは、やや焦り気味に倍速ラップでスキルを見せようとするT-Pablowを見て失笑した後「なんで笑ってるか教えてやるよ/3回やるのにテメーが上手くなんないからだろ」とキツイ一発。これに対してT-Pablowは、得意の固い韻で応戦するも結果はドロー。勝負の行方は延長戦へと持ち越された。

延長戦では、T-Pablowが「三十路まだ売れる見込みが無い」と、アンダーグラウンドな活動を続けているベテラン・ISSUGIを攻撃。しかしISSUGIは「俺は売れる見込みが無いこともやり続けるだけの覚悟がある」という熱いアンサーで会場を盛り上げる。これに対してT-Pablowは「メジャーとかインディーの壁を取っ払ってやる」と応戦するも、ISSUGIは「お前に変えれるわけ無えだろ/俺と俺の仲間が変えんだよ/5lack (S.l.a.c.k.) 知ってるか?BUDA(Munk)知ってるか?」とDOWN NORTH CAMPの仲間たちをアピール。

これに対してT-Pablowは「どう考えてもPablow主役/お前は脇役カラー」と自分の華やかなキャラをアピール。しかしISSUGIは動じることなく「テメーは主役になりてえんだな/俺は脇役で充分/HIPHOPは名もない奴に言葉持たせる音楽」とアンサー。「東京のHIPHOPナメんなよ?」とバトルを〆たISSUGIの勝利。

あくまでシーンの中心で上昇を続けると語る新鋭T-Pablowに対して、長いキャリアの中で血肉化したHIPHOPへの愛情と理解、そして時に敗北を味わってきたからこそ身に付けることが出来た優しさをラップに込めたISSUGIの貫禄勝ち。大人の風格を感じた一戦だった。

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