【KNOCK OUT】那須川天心、タイ最強戦士をKOしたバックスピンキックが危険すぎる

【KNOCK OUT】那須川天心、タイ最強戦士をKOしたバックスピンキックが危険すぎる


12月5日東京TDCホールでスタートしたキックボクシングイベント「KNOCK OUT Vol.0」。

新日本プロレスのオーナー企業でもある、ブシロードが新たに立ち上げたキックボクシング大会ということもあり、世間的にも大きな関心をもって迎えられ、2100名超満員と成功を収め、試合内容もKO勝利が次々と生まれる「神」イベントだった訳たが、大会を通じて大きなインパクトを残したのが、セミファイナルに登場した那須川天心だろう。

極真空手ジュニア世界王者の肩書と共に2014年のデビューから「RISE」などの大会で破竹の16連勝。「神童」や「キックボクシング史上最高の天才」とスター街道を確実に歩む逸材とはいえ「KNOCK OUT」運営が用意した相手がルンピニー・スタジアム現役スーパーフライ級王者、ワンチャローン・PK・センチャイムエタイジムと、初戦から18歳の若者にとっては余りにも高いハードルだった。

試合序盤のワンチャローンの鋭い左ロー、那須川も「ローキックの強さを感じながらもカットは出来た。今まで一番強かった」と回想する蹴りに合わせるように、右ロー、積極的なボディへのワンツー、そして「普段やらないヒジを出して面食らわす目的もあった」肘、ミドル、左ストレート、膝と次々と畳み掛けるような攻撃から、ボディ、飛び膝と完全に那須川のペース。

その後ワンチャローンも右ローや空を切ったものの鋭いハイキックなど攻撃の片鱗をみせるが、攻撃の手を緩めない那須川の右ストレート、左ヒジなどその手を緩めない。

1ラウンドも後半に差し掛かった、残り1分、ステップは最小限に左右のパンチ、左足の前蹴りからローという相手の意識を左に集中させたところで、目の覚めるようなバックスピンキックがワンチャーロンの顎を捉え、1R2分23秒、衝撃のKO勝ち。

余りにもあっけなく鮮烈すぎる勝利に「新時代のスター誕生」と騒ぎ立てたくなるところだが、ここに至るまでの那須川陣営のプレッシャーは、かなりのものだったようだ。

翌日の会見でも那須川は「今までやって来たことが間違いじゃなかったと実感してリングの上で泣いてしまった」と率直な気持ちを明かした。本人だけでなく、父親やトレーナーなども含めチームが涙したという言葉からも、この試合へ賭けた思いを窺い知ることができた。

日本ムエタイ界のトップ、梅野源治も「ワンチャーロンはタイのトップ選手。その選手と距離をとってゆっくりリズム、タイのリズムで戦うと厳しいと思ったが、『1ラウンドからガンガン攻めて行った方がいい』とアドバイスさせて貰ったように、僕の言った通りの攻め方をしてくれて、その想像を超えた勝ち方をしてくれた。」と会見でコメント、那須川の口からも試合前の梅野の「タイ人対策や心得」などの力強いサポートがあったことも明らかとなった。

孤高の存在ともいえるキング・梅野の那須川に向ける眼差しも特別なものだ。ワンチャーロン戦前の場舞台裏では、梅野が那須川にモンコンを託すという一種儀式めいたやりとりもあったという。

ムエタイ選手が同門でもない選手にモンコンを貸し出すこと自体がありえないことであり、梅野も「僕は普段人にモンコンを貸しだすなんてことをしない。那須川選手に、本物(ワンチャーロン)とやるリスクを感じたし、自分も「絶対負ける」と言われた相手を倒しながら選手としての価値を上げて来た。タイのトップファイターとやるその勇気をリスペクトしてバトンを渡すつもりでモンコンを渡した」とその行動の真意を明かした。

今回の那須川の「KNOCK OUT」デビュー戦の勝利。改めて振り返ると、序盤から積極的なペースで攻め続けるという一種の「賭け」が功を奏したようにも見える。ヒジ攻撃というのも1つのキーワードかもしれない。彼にとってプロになっての初のヒジありルールも、逆境というよりは「隠し玉」として作戦の上でいかんなく発揮された、そしてあの思い切りのいいバックスピンキックと、全ては那須川天心の「勇気」が産んだ勝利だが、その一方で普段相手の研究をしないという天才肌が空いた時間を惜しむように相手のビデオ研究やハードすぎる練習と努力した結果といえるだろう。

一夜明け会見でも小野寺力プロデューサーから「昨日のMVP。那須川天心の日」と最大限の賛辞を送られながらも「まだまだ強い相手はいるので倒せるように頑張りたい」と発言はあくまでも謙虚だ。その一方で「やっと55キロの体になって来たばかり、この階級で強い相手を倒して、相手が出てこなかったら階級を上げる」とこれからの抱負も明かした。

拮抗するレベルの選手を集めながらも6試合中5試合KO決着でまさに「KNOCK OUT」というイベント名に相応しい上々の旗揚げ戦となった「Vol.0」大会。

来年年明け早々に「KNOCK OUT Vol.1」となる2月12日の大田区総合体育館大会を皮切りに8月までの4大会と2017年の前半戦のスケジュールを一気に発表した。「誰一人弱い選手がリングに存在しない」という意味で選手たちには厳しい闘いの場がまた1つ誕生してしまった印象だが、2017年に入るとさらにハードな闘いが待受けている。

キックボクシングイベント | KNOCK OUT(ノックアウト)

http://knockout.co.jp/

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