ダイナソーJr.のJ・マスシス、Fenderを語る「弾くのが大変なギター、戦うようなヤツが良い」

ダイナソーJr.のJ・マスシス、Fenderを語る「弾くのが大変なギター、戦うようなヤツが良い」


ギターメーカーのFenderが、プレイヤーたちとギターとの関係性に迫るドキュメンタリーシリーズ『FEEDBACK』を公開。第1弾は、昨年に続き先日の来日公演でも素晴らしい演奏を聴かせてくれた、今まさに何度目かのキャリアのピークを迎えている“オルタナ界のゴッドファーザー”ことDinosaur Jr.(ダイナソーJr.)のJ・マスキスだ!

このたび公開された『FEEDBACK#1』では、轟音ギターの神とも呼ばれる彼の自宅スタジオや、その周辺、ギターコレクションの一部が垣間見える、とても貴重な映像になっている。相変わらず眠たそうな(眠たいわけではない)口調だが、初めて買ったギターの思い出やギターそのものへの想いを語るJ、こう見えて実は結構アツい男なのだ。

「9歳か10歳のころ、パンクロック好きの友達がいて、そいつの家でレコードを聴いてた。そこでパンクのことを色々と教わってさ。そのうち自分でギター弾こうと思うようになったんだ」

「で、バンドを組もうと思ったんだけど、周りに自分が思うようなスタイルでギターを弾く奴いなかった。だから自分で弾くことにしたんだよ」

「『Slimy Bob(スライミー・ボブ)のGuitar Rip Off(ぼったくりギター)』って店の広告が新聞に載ってて。400ドルのストラトがあるって書いてあったのに、行ってみたら450ドルって言われてね。でも、こっちは450ドルも持ってなかった。そしたら200ドルのジャガー、300ドルのジャズマスターがあったんで、ジャズマスターを買うことにしたんだ。そのジャズマスターの方がネックが良い感じにボロくなってて、握った感じとかがしっくりきたんだよね」

「ダイナソーを結成して最初のアルバムを出した頃、この辺りでは本当に嫌われてた。音がデカすぎるしファンはいないし、いろんなライブハウスから出禁にされてたよ。客がロクにいない上に音がバカでかいっていうのは、最悪のコンビネーションだからね」

「弾きやす過ぎるギターってのはあまり好きじゃない。弾くのが大変な、ギターと戦わなきゃならないようなやつの方がいいんだ」

「ギターはただのツールっていうより、なんかこう、それ以上のものっていうか。楽器っていうだけじゃなくて、僕に何か訴えかけてくるものがあるんだよ」

そう語るJは、ギターを始めた時からすでに自分のスタイルや主義がはっきりしていたのだろう。そして“スライミー・ボブ”に半ば騙されたような形で手にしたジャズマスターが、ロックの歴史を変えることになったのである。

音量が強烈に大きいのも当時から。あえて弾きにくいセッティングにしていることも、Jのプレイにとって欠かせない要素なのだ。オーソドックスなのに異端としか言いようのないギタリスト、Jの原点がよく分かる、ファンにはたまらない内容と言えるだろう。

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