コービー・ブライアントが恐れた男 「1人アリウープ」の元祖、トレイシー・マグレディ

コービー・ブライアントが恐れた男 「1人アリウープ」の元祖、トレイシー・マグレディ


2017年、新たに11名がNBAの殿堂入りを果たした。正式名称を「ネイスミス・バスケットボール・ホール・オブ・フェイム」というNBA殿堂入りは、選手のみならずバスケットボール界に貢献したコーチやオーナーなど、様々な人物が選出される。

今回はその中から、トレイシー・マグレディ選手を紹介したい。

その高いポテンシャルを認められ、1997年に高卒でトロント・ラプターズからドラフト指名されたマグレディ。ラプターズでは従兄弟であるヴィンス・カーターと共にプレイしたが、先に頭角を現したカーターにエースの座を奪われてしまう。

「俺はチームのエースになりたい!」という思いの強かったマグレディは、フリーエージェントでオーランド・マジックに移籍。そこから一気にスーパースターの階段を駆け上がることになる。

持ち前のポテンシャルを開花させ、得点では15.4→26.8に大幅UP。個人成績のほとんどを前年から上昇させ、最も成長したプレイヤーに与えられる「MIP(Most Improve Player)」を受賞。さらに02-03 / 03-04シーズンには2年連続で得点王を獲得するなど、リーグ随一のスコアラーとして名を馳せた。

そんなマグレディは、数々の“記憶に残るプレイ”も披露している。

2002年のオールスターでは、3ポイントライン付近からいきなりボールを放り投げた。周りの選手が「何やってんだ?」と呆然としている間に、マグレディのみゴールに向かって走り出し、バックボードに当てたボールをそのまま空中でキャッチしてダンクを叩き込んだのだ。

会場は一瞬どよめきと妙な静けさに包まれたが、すぐさま大歓声へと変わった。これが有名な“1人アリウープ”である。

ディフェンスが複数人いる中、しかもリングに正対していない状態からの1人アリウープは、想像以上に難しい。ボールの軌道の予測、斜めに走りこんでボールを空中でキャッチするためのスピードとボディバランス、相手に予測させないなどなど、様々な条件が揃って初めて成せる技である。これはNBA史上、最も素晴らしいアリウープのひとつではないだろうか。

さらにマグレディは、クラッチタイムでの勝負強さも併せ持つ。ヒューストン・ロケッツに移籍した2004年のサンアントニオ・スパーズ戦、残り約35秒で4連続3ポイントシュート(うち1本はファウルをもらい4点プレイ)で13点を奪い、大逆転を演じた。まるで「TVゲームか!?」と目を疑うほどのプレイだった。

そんなマグレディの実力を表すのが今回の殿堂入りと、コービーのインタビューである。昨年惜しまれつつ引退し、今後の殿堂入り間違いなしと言われるコービー・ブライアントが、現役時代のインタビューで「彼は一番手強い選手だった」とコメントしたのだ。

とにかく彼の殿堂入りを祝福しつつ動画を見て、もう一度あの華麗なプレイの余韻に浸ってはいかがだろう。

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